医療職と介護職が連携する上で当院が気をつけている4つのポイント

医療職と介護職が密に連携することが、より良い療養環境の提供のためには重要です。
しかし、実際には、連携していくと、職種が違うことによって考え方や認識のずれが生じてしまうことあります。

より効率的に多職種連携していくためには、それぞれの職種の違いを理解した上で、お互いに尊重し合い、患者さんを”チーム”で支えていくというスタンスが重要だと私たちは考えています。

そこで今回は、医療職と介護職が連携する上で当院が気をつけているポイントを4つご紹介します。

【1】患者さんは多様な顔を持っていることを理解する

ケアマネジャーさんをはじめとした介護職の方が接したときに患者さんが見せる顔と、医師に見せる顔が違うことはよくあります。

医師に対しては「大丈夫」と伝えていた患者さんが、ケアマネージャーさんやヘルパーさんには異なったことを伝えるといったようなことです。

このように、同じ患者さんに接しているのにも関わらず、医療面をメインに支える医療職と、生活面をメインに支える介護職では、患者さんに対して持つ印象が違う場合があります。

この印象の違いが、考え方や認識の違いにつながる場合があります。

前提として、患者さんは多様な顔を持っているということを理解した上で、職種間の連携をすることが重要だと考えています。

【2】医療職と介護職で把握できる情報の質が違うことを理解する

医療チームは医療面をメインに、介護チームは生活面をメインに患者さんを支えていきます。

患者さんの医療依存度が高まっていくと、医療チームである医師や看護師は、頻回に患者さんと接することになり、状態の変化を捉えやすくなります。

一方で、ケアマネージャーは頻回な訪問が難しい場合もあります。患者さんの医療依存度が高まってきた場合には、医療機関からケアマネージャーへ積極的に情報提供していくことが重要だと考えています。

また、医療スタッフは、医学的な情報をしっかりと捉えながら、予後や急激な悪化のリスクを想定し患者さんに関わります。

一方、ケアスタッフは、患者さんの家族背景や性格などの情報を捉えて、生活を支えられるような関わり方をします。

医療職と介護職は、それぞれ違った観点から患者さんをみており、把握する”情報の質”が違います。その点をお互いに理解し、うまく共有し合うことが大切だと考えています。

【3】伝える窓口や担当者会議の活用

先程の患者さんの例のように、ケアマネージャーや訪問看護師には素直に体調について話せても医師には話しにくいと感じる患者さんもいらっしゃいます。

医師という職種の特性や医師によって話しやすさの違いがあることで、医師には本心で話しにくいと感じる方が多いことが原因と考えられます。

患者さんが本当は思っていても伝えていないことを医師に伝える場合を介護職の方は経験されていることも多いかと思います。

特に訪問診療を行う医師は話しやすい雰囲気を醸成することを心がけて置かなければいけませんが、なかなか現実的にはまだまだ難しいこともあるかと思います。

また、話しにくいと感じる医師に対して、介護職の方も患者さんを代弁して伝えることが難しいと感じる方もいらっしゃるのかもしれません。

訪問診療を行う医師に本心を素直に伝えることが難しい場合、在宅医療を専門に行っている医療機関にはMSWや看護師による医療相談室という専用の窓口を活用することも考えてみましょう。

また、ケアチーム全員で担当者会議という場を設けることも患者さんの意向を全体で共有して意思統一を図る有効な方法かと思います。

【4】チームで患者さんを支えるという感覚を大切にする

病院は、医師を中心としたピラミッド型の組織です。患者さんを治療し、病気を治すためには医学的な側面が重視されるため、医師中心の組織になりやすいです。

一方で在宅は、ご自宅や施設で安心して生活することが目的で「生活」という側面が重要になります。

このため、さまざまな職種の方が連携し合いながら患者さんの生活を支える必要があります。

私たちはネットワーク型の組織、つまり”チーム”であると考えています。専門職が、それぞれの専門性を発揮し、うまく連携することができれば、その力は掛け算となります。

「チームで患者さんを支えているのだ」という感覚を大切に、お互いを尊重しあい、連携を深めていくことが大切だと考えています。

まとめ

今回は、多職種連携において、当院が大切にしているポイント4つご紹介しました。

患者さんやご家族により良い療養環境を提供していくためには、多職種がしっかりと連携することが重要です。

相互理解が深まれば、より良い連携につながります。当院では、勉強会や合同カンファレンスなどを通じて、相互理解の促進につなげています。

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