医療職と介護職が連携する上で当院が気をつけている4つのポイント

医療職と介護職が密に連携することが、より良い療養環境の提供のためには重要です。しかし、実際には、連携していくと、職種が違うことによってコミュニケートの齟齬や行き違いが発生してしまうことあります。

うまく多職種連携していくためには、それぞれの職種の違いを理解した上で、お互いに尊重し合い、患者さんを”チーム”で支えていくというスタンスが重要だと考えています。

今回は、医療職と介護職が連携する上で、当院が気をつけているポイントを4つご紹介します。

患者さんは多様な顔を持っていることを理解する。

ケアマネジャーさんをはじめとした介護職の方が接したときに患者さんが見せる顔と、医師に見せる顔が違うことはよくあります。医師に対しては、「大丈夫」と伝えていた患者さんが、ケアマネージャーさんやヘルパーさんには、異なったことを伝えることもあります。

同じ患者さんに接しているのにも関わらず、医療面をメインに支える医療職と、生活面をメインに支える介護職の方が、患者さんに対して持つ印象が違うということが起こります。

この印象の違いが、コミュニケートとの齟齬につながる場合があります。前提として、患者さんは多様な顔を持っているということを理解した上で、職種間の連携をすることが重要だと考えています。

医療職と介護職で把握できる情報の質が違うことを理解する。

医療チームは医療面をメインに、介護チームは生活面をメインに患者さんを支えていきます。患者さんの医療依存度が高まっていくと、医療チームである医師や看護師は、頻回に患者さんと接することになり、状態の変化を捉えやすくなります。

一方で、ケアマネージャーさんは頻回な訪問が難しい場合もあります。患者さんの医療依存度が高まってきた場合には、医療機関からケアマネージャーさんへ積極的に情報提供していくことが重要だと考えています。

また、医療者は、医学的な情報をしっかりと捉えながら、予後や急激な悪化のリスクを想定し患者さんに関わります。

一方、ケアマネージャーさんをはじめとした介護職の方は、患者さんの家族背景や性格などの情報を捉えて、生活を支えます。医療職と介護職は、それぞれ違った観点から患者さんをみており、把握する”情報の質”が違います。その点を理解し、うまく共有し合うことが大切だと考えています。

伝える窓口や担当者会議の活用

また先程の患者さんの例で先生には大丈夫といっても介護職には違うことをお伝えになる理由としてケアマネージャーさんや訪問看護師さんには言えても医師には言いにくい方もいらっしゃいます。

言いにくい理由として医師という職種自体や医師によって話しやすさの違いがあることも事実です。患者さんが本当は思っていても伝えていないことを医師に伝える必要性があることも介護職の方は経験されていることも多いかと思います。

特に訪問診療を行う医師は話しやすい雰囲気を醸成することを心がけて置かなければいけませんが、なかなか現実的にはまだまだ難しいこともあるかと思います。また言いにくい医師に対して介護職の方も患者さんを代弁して伝えることも難しさがあるかもしれません。

訪問診療を行う医師に伝えることが困難な場合、とくに在宅医療を専門に行っている医療機関にはMSWや看護師による相談室という専用の窓口があります。

また診療同行している看護師さんもいらっしゃいますのでそちらを連絡の窓口にすると円滑に医師へ情報が伝わることもあります。またケアチーム全員で担当者会議という場を設けることも患者さんの意向を全体で共有して意思統一を図る有効な方法かと思います。

チームで患者さんを支えるという感覚を大切にする。

病院は、医師を中心としたピラミッド型の組織です。患者さんを治療し、病気を治すためには医学的な側面が重視されるため、医師中心の組織になりやすいです。

一方で在宅は、ご自宅や施設で安心して生活することが目的で「生活」という側面が重要になります。このためさまざまな職種の方が連携し合いながら患者さんの生活を支えます。

ネットワーク型の組織、つまり”チーム”であると考えています。専門職が、それぞれの専門性を発揮し、うまく連携することができれば、その力は掛け算となります。「チームで患者さんを支えているのだ」という感覚を大切に、お互いを尊重しあい、連携を深めていくことが大切だと考えています。

まとめ

今回は、多職種連携において、当院が大切にしているポイント4つご紹介しました。

患者さんやご家族により良い療養環境を提供していくためには、多職種がしっかりと連携することが重要です。相互理解が深まれば、より良い連携につながります。当院では、勉強会や合同カンファレンスなどを通じて、相互理解の促進につなげています。

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