“病院”と“在宅”の医療の違いを理解しよう

「病院より自宅で最期を迎えたい」そのような患者さんの声を聞くことは少なくありません。実際に平成30年の厚生労働省「在宅医療連携モデル構築のための実態調査報告書 」によると、半数以上の高齢者の方が自宅で最期を迎えることを希望している現状があります。

参考)厚生労働省「在宅医療連携モデル構築のための実態調査報告書 」

在宅医療をよりよいものにするためには、病院医療と在宅医療の違いを理解することが重要です。在宅医療は「支える医療」とも呼ばれ、病院で行われる医療と違いがあります。
そこで今回は、病院医療と在宅医療との違いを紹介していきます。

【1】在宅医療と病院医療は、アプローチの考え方が違う。

病院医療と在宅医療では、患者さんへのアプローチの考え方が異なります。病院医療は、患者さんの病気を治すことを目的としますが、在宅医療の理念は患者さんのQOLを向上・維持させることです。
QOLは、日本語で「生活の質」と訳され、患者さんの精神的な満足度や充実感を表す指標です。在宅医療では、病院医療のように病気を治すだけでなく、医療過程において患者さんのQOLを向上・維持させる取り組みが重要になります。
在宅医療が導入されると、医師が定期的に訪問診療を行い、健康管理を行なっていきます。
訪問診療を通じて、患者さんの残存機能を最大限引き出し、ADLをなるべく維持さながらQOLの向上を目指していきます。
そして、救急搬送や入院につながるようなリスクをなるべく回避し、出来るだけお宅で生活できるようにサポートを行なっていきます。
患者さんの意思決定を尊重し、QOLとADLの向上を両立していくことで、患者さんの幸せをよりよく実現することが期待されるのです。

【2】在宅でもさまざまな医療処置・検査に対応できる。

在宅医療は、病院のように医療設備が整った環境ではありませんが、かといって医療処置や検査が何もできないわけではありません。在宅でもさまざまな医療処置・検査が対応できます。
在宅で行える医療処置としては、経鼻胃管カテーテルの交換、胃瘻交換や褥瘡の処置、膀胱留置カテーテル交換などが挙げられます。検査も、血液検査、心電図検査、エコー、レントゲン、内視鏡等が可能です。
病院でしか対応できない処置や検査もありますので、それらが必要な場合は、在宅医療で介入している医療機関から、病院へ連携して対応します。

【3】在宅医療では介護力が重要になってくる。

病院医療(入院)は、管理された環境下で、患者さんの治療を行なっていきます。一定期間入院し、治療を終えた後は退院になります。退院後、治療は終わりになるか、その後外来でのフォローになります。一方、在宅医療は、生活そのものを支えていきます。在宅医療を継続する上では、介護力は非常に重要になります。中でも、ご家族の介護力は特に重要です。介護に対する意欲や情熱はどの程度あるのか、介護方法を習得できるかどうかなどを評価・判断する必要が出てきます。
ご家族に介護が集中すると、介護負担が増加し、継続的な介護が難しくなる場合があります。そのような場合には、うまく介護サービスを活用します。ご家族の介護負担を軽減することで、在宅医療を継続させていきます。在宅医療では、医療機関と介護事業所がしっかりと連携・協働することが重要です。医療機関、介護事業所、ご家族が連携し合いながら、患者さんの療養生活を支えていきます。

まとめ

今回は、病院と在宅での医療の違いをご紹介しました。
在宅医療は、支える医療とも言われ、患者さんのQOLの向上を目標に行われます。在宅医療を継続するには介護力もポイントになります。医療と介護がしっかりと連携し、療養生活を支えていきます。

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