「エンドレスなリハビリ」を最良な方法で終わらせるには

「あなたは何を目標にリハビリをしているの?」

もしあなたがリハビリを提供される側になった時、この質問にすぐに答えることはできるのでしょうか。

今回の勉強会のテーマは「療法士も悩む『エンドレスなリハビリ』について」

2020年11月18日、東海TSUTAYA貸し会議室にて、5回目の木の香おやつ勉強会を開催しました。「作業療法士も悩む!エンドレスなリハビリ」をテーマに、当院の作業療法士の伊藤裕二がお伝えしました。

今回のおやつは洋菓子店SLOWさんのカヌレでした。

リハビリのゴールって何だっけ…

リハビリとは本来、何かを達成するための手段として用いられます。しかし、時には様々な要因からリハビリをすること自体が目的になってしまうこともあるのです。

最初は、後遺症を緩和させて元の生活ができるようになりたい、回復した機能をこれからも維持していきたい、そんな気持ちからリハビリに励む人が多いと思います。
しかし、リハビリが自分を肯定してもらえる場になったり、リハビリそのものが社会との繋がりの手段であるとき、リハビリ自体が目的になってしまうこともあるのだそうです。

他にはこんな背景があることも…

  • 病気や後遺症の予後がはっきりしない
  • 本人・家族の不安
  • 専門職としての発言力を家族が求める
  • 普段から尊重や肯定される機会が少ない・これまで少なかった
  • 他に威厳を示す場がない

このような「エンドレスなリハビリ」状態を解決するにはどうしたらいいのでしょうか。
一般的に、病後は生活パターンが変わり、その人の「仕事」や「遊び」にあたる部分がリハビリに置き換わりやすいとのこと。患者さんと対話する側は、本人が元々は「仕事」や「遊び」で何を得ていたのかを踏まえ、リハビリ以外でそれらを再び得られるように手伝うことが大事だそうです。

「やってみたらできたから、リハはもういいかな」

何年もリハビリに通っていたAさん。「自分にはリハビリが必要だ」「リハビリがないとまた自宅で生活できなくなる」そんな不安のもとにリハビリから抜け出せなくなっていました。

このようにリハビリを卒業することに不安を感じていたAさん。しかし、家族の誘いに応じ、試しに旅行に出かけてみたところ、問題なく楽しむことができたのです。
その後、旅行や旧友に会うための外出や旅行が増え、最終的には外来リハを卒業することになりました。家族の勧めをきっかけに、「遊び」の代わりだったリハビリが外出・旅行という本来の遊びに移行した例と考えることができます。

このように、今のリハビリは何の代わりになっているのか、リハビリを卒業することのブレーキは何なのか、新たな一歩を踏み出せるチャンスはないのかを利用者さんと対話を重ねながら探っていくことが、リハビリのゴールをあらためて明確にするためにも大切なことなのですね。

参加者の声

今回の勉強会に参加された方からは以下の感想をいただきました。本当にありがとうございました。

ケアマネAさん

リハビリの目的・意義・リハビリに代わる支援について、分かりやすく講義して頂けたと思います。

ケアマネBさん

細かく患者さんの心理が分析できており、とても分かりやすかった。

ケアマネCさん

リハビリについて勉強になった。活動性を上げるようなケアプランを立てたくなった。

次回予告

次回のおやつ勉強会は12月16日(水)に「認知症への視点を増やす!プール活動レベルのご紹介」というテーマで行う予定です。是非近隣のケアマネさんは奮ってご参加ください。