在宅医療って患者さん・ご家族にとってどんなメリットがあるの?

ケアマネジャーさんをはじめとした介護職の方々が、利用者さんとの関わりの中で、「在宅医療の導入を提案する必要性があるかも」と感じるタイミングはあると思います。

そのとき、介護職の方が患者さんやご家族へ在宅医療の導入について説明したとしても、患者さんやご家族が在宅医療に対するメリットを感じることができなければ、導入を決断することは難しいと思います。

在宅医療の導入によるメリットを介護職の方が理解いただければ、適切に提案することができ、その結果、患者さんやご家族にとってより良い療養環境を提供できます。

そこで今回は、在宅医療が患者さん・ご家族に与えるメリットについてご紹介していきます。

【1】患者さん・ご家族の通院負担が減る

高齢の方は、何かしらの持病を抱えている場合が多く、定期的に病院やクリニックへ通院されている方が多いです。足腰が弱くなっていたり、認知症であったり、身体の一部に麻痺が残っていたりなど、通院することが大変なのにも関わらず、無理をして通院されている方もいます。

そのような方の場合、ご自身が住んでいる場所に、医師や看護師が訪問し診療してくれることは、体力面・精神面の負担軽減につながります。

また、高齢の方はお一人での通院が難しい方も多く、ご家族が通院に付き添わなければならない場合もあります。在宅医療が導入できれば、ご家族の通院介助の負担軽減にもなります。

ご本人のご意向でどうしても通院したいとおっしゃる場合もあります。その場合には、在宅医療を受けながら、外来通院することも可能です。通院の頻度を減らすことができれば、通院介助負担の軽減につながります。

【2】在宅でも幅広い医療を受けることができる

在宅医療では、病院の外来で受診していたような、レントゲン・エコー・心電図などの機器による検査を受けることも可能となっています。薬の処方も、訪問薬剤師さんに自宅まで届けてもらうことができたり、吸引や点滴、在宅酸素、褥瘡処置等も在宅で十分に対応できます。

また、在宅医療の基本システムは、(1)定期訪問、(2)往診(24時間365日対応)の2つからなっています。

定期訪問では、患者さんのもとに定期的に訪問し、医学的な管理を行います。訪問頻度は原則2週間に1回。あらかじめ予定した日に訪問します。

24時間365日対応の往診は、在宅医療ならではのシステムです。体調が急に悪くなったり、症状が急変した際に、訪問して診療を行います。

夜間や休日に患者さんの体調が悪くなったときに、クリニックに連絡が可能である環境は、ご家族の安心感につながります。安心して在宅で療養できることは、在宅医療の大きなメリットです。

【3】住み慣れた場所で生活できる

入退院を繰り返している患者さんは、環境が変わることにストレスを感じ、身体的にも精神的にも不安定になることがあります。

実際に、病院での治療を終えて、在宅医療に移行したら、患者さんの表情が穏やかになり、笑顔が増えたり、反応が良くなったり、よく眠れるようになったりと、精神面が落ち着くことがあります。

精神的な安心がもたらす効果は医療的にも大きなメリットとなります。

【4】患者さんがより自分らしい生活を送ることができる

在宅医療を導入することによって、どのように生活をしていきたいのかは、人それぞれ考えや価値観が違います。

どのように過ごしていきたいのか、人生の最期段階はどこで迎えたいのか等を医療スタッフと相談し、すり合わせをした上で、療養環境を整備していくことが重要です。

もし患者さんやご家族が「最期まで住み慣れた場所で過ごしたい」と希望した場合は、在宅医療・介護のチームが一丸となって、寄り添った医療や介護を提供していきます。

また、看取る側であるご家族は、直接間近で患者さんをみているので不安や心配などの葛藤が生まれます。それに対して、診療所は医療的な側面でのアプローチをし、ケアマネージャーさんは介護的なアプローチをし、ご家族を支えてきます。

患者さんやご家族が満足する人生を送るために、医療と介護が連携・協働し、必要なサービスやサポート体制を整えます。

患者さんにとって「より自分らしい生活」を送ることができるのも在宅医療のメリットと言えます。

まとめ

今回、在宅医療のメリットについて4点ご紹介しましたが、在宅医療の制度を作られて20年以上経過しているため、すでにご存知のことも多いかと思います。

しかし、ケアマネジャーさんをはじめとした介護職の方が在宅医療について、導入提案の必要性を感じたとき、患者さんやご家族にどういったメリットがあるのかを改めて理解しておくことで、提案の質に差が出てくると思います。

ぜひ、今回の記事をご活用ください。また、ご家族からの質問などで不明なことは診療所に相談してみてください。

【参考】自己負担額について

在宅医療を導入した際の費用については、大事な検討事項かと思います。入院治療費と比較したとき、在宅医療費の方が費用を抑えられるケースもあります。

所得によっては3割の場合もありますが、在宅医療の基本的な対象は、高齢者医療が主体になっているので、特別な疾患でない限りは、後期高齢者の方がほとんどです。その場合、医療費の自己負担は1割になります。

実際、患者さんが病状や受診する治療の内容によって金額は変動しますが、自己負担額が高くなった場合は一定の限度額を超えた分を還付として受けることが可能です。

その他に、認知症や寝たきり状態が続いている患者さんは国からの援助があり医療費の自己負担がかからなくなる制度もあります。

診療所の医療ケースワーカーに、対象の患者さんの情報を伝え、相談してみてください。制度を活用することで医療費や介護負担が軽減できる可能性があります。

ケアマネジャーさんをはじめとした介護職の方々は細かな費用面の説明がなかなか難しい場合もあると思いますので、積極的に診療所に相談してみてください。

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